【総評】写真家 鈴木一雄

このフォトグランプリが誕生したのは、今から14年前の2006年でした。記念すべき第1回から第3回まで、連続して3年間の審査をさせていただいたのが懐かしい思い出となっていました。

今回、久しぶりに審査をさせていただきましたが、写真を愛する新潟の写真愛好家のみなさんの表現力をあらためて実感しました。今思い返すと、第1回から第3回まで印象に残っているのは、どちらかというと自由作品のレベルが頭一つ抜け出ていたことでした。グランプリ作品も3回連続して自由作品から選んだように記憶しています。

十年以上の歳月を経て向き合った今回は、ネイチャー作品のチカラが予想を超えてパワーアップしていました。それは私だけではなく、審査の裏方である新潟フジカラーの担当者の皆さんも、これまでにない力作の多さに驚かれていました。

もちろん、自由作品のバリエーションの豊かさとレベルの高さは依然と変わらないものでしたが、グランプリ作品をはじめとして、金賞、銀賞に選ばれたネイチャー作品の質の高さは特筆すべきものがありました。

『フォトグランプリ』が、益々新潟県の写真レベルを押し上げること、そして写真文化の発展に寄与することを願っています。

このたびは、入賞者のみなさん、おめでとうございました。また、もう一歩という多くのみなさんも、次回に向けて発奮されることを期待しています。

グランプリ

  • グランプリ
    撮影者 須田 孝子
    題名 「スポットライト」
    講評
    ヒグマが、輝く稜線上にぽつねんと佇んでいる。何かを見つめているのか考えているのか、動きが止まっているように見える。半逆光のラインは稜線からヒグマのラインをたどって、また稜線上に延びている。この光が無かったならば、ヒグマは暗い背景に溶け込んでしまったであろう。ある意味、運命的な出会いであり、その貴重なシャッターチャンスをよくぞ作品に射止めることができました。美しい風景写真と珍しいヒグマの生態写真が融合し、この作品のチカラは圧倒的なものになっている。一次審査の時から特別な存在感を放って私の目をくぎ付けにし、そのままグランプリの座をものにした。

準グランプリ

  • 準グランプリ
    撮影者 栗林 栄市
    題名 「農夫」
    講評
    一目見た瞬間に、まるで映画のワンシーンのような美しさとインパクトが画面から放たれてくる。朝露を纏った草が輝き、田の畔を一輪車を押して歩く農夫の姿が印象的に浮かび上がっている。朝日のフレアーさえも画面に上手く配置して、高らかに“スポットライト”という主題を謡いあげている。作者はベテランの撮影者であると同時に、優れた脚本家でもあるようだ。農業の物語を抒情的に描いている手腕を評価した。あとは、農夫の止まっている動きに演出のニオイが感じられなくなれば、というところか。

ネイチャー部門 金賞

  • ネイチャー部門 金賞
    撮影者 斎藤 達彦
    題名 「浜辺の彩り」
    講評
    佐渡の浜辺に群れて咲き誇る、ハマヒルガオ。夕陽を受けて浮かび上がる可憐な花姿が優れた情景となっている。透過光によって艶やかに咲いているピンクの花が何とも印象的だ。美しい夕日、小島が点在する静かな入り江共々に、一つの画面に描き上げた手腕がすばらしい。ハーフNDフィルターの活用という匠の技により、背景と花との明暗差調整ができたのが、力作の鍵となった。手前の左右に、もう少し花があったならば言うことなし、だ。
  • ネイチャー部門 金賞
    撮影者 茂野 孝志
    題名 「厳冬に生きる」
    講評
    グランプリを競ったのが、この作品だった。深い雪の中にいる二頭のニホンカモシカは、厳冬を生きぬ抜く逞しい物語の主役として、圧倒的な存在感を放っている。胴体が接するほどの深い雪の中を歩く姿は、本当に感動的だ。そして、この光景をとらえている作者の並々ならぬ執念と努力に頭が下がる。モノトーン調のシンプルな画面構成も美しい。じっとこちらを見ている様子も悪くないが、雪を跳ね上げて必死に登っている姿も見たい。
  • ネイチャー部門 金賞
    撮影者 髙橋 徹
    題名 「暁天」
    講評
    作品を手に取った瞬間に、絵画のような幻想的な美しさが画面からあふれ出してきた。鮮やかに染まる朝焼けの空と滝のように流れる雲の二重奏が、見事なハーモニーを奏でている。画面構成とフレーミングは力強く、ローキー調の露出は幻想的な夜明けを体現している。シャッターチャンスとの出会いもさることながら、空と滝雲との明暗差調整が成功したことが決め手となった。あとは、季節感をいかに画面に表現できるかだ。

ネイチャー部門 銀賞

  • ネイチャー部門 銀賞
    撮影者 小柳 直人
    題名 「雪花」
    講評
    第一印象のインパクトが強い作品内容であった。豪雪の地に訪れた遅い春は、いまだに残雪が大地を厚く覆っている。その光景を日中ではなく、あえて暗い中で描こうとした視点は、創造性に富んでいて高く評価したい。星空と渓流を要素として組み入れた発想も斬新だ。主役の桜との対比上、脇役である渓流のライティングはもう少し弱めたい
  • ネイチャー部門 銀賞
    撮影者 後藤 茂
    題名 「やさしさに包まれて」
    講評
    小さな被写体の、とても小さな眼が、画面全体を支配している。こちらをじっと見つめているようなつぶらな黒い眼が、作品を鑑賞する者の心に迫ってくる。被写界深度を極端に浅くしたことが功を奏しているが、何といっても低いカメラ目線で狙ったのが良い。あとは、花などのきれいなボケ味が加われば、というところか。
  • ネイチャー部門 銀賞
    撮影者 小湊 正光
    題名 「光芒」
    講評
    低速シャッターによる柔らかな海面の描写と貴重な光芒によって、幻想的な海風景の力作が生まれた。光芒と海面の輝きが織りなす光の妙味に、じっと見入ってしまう。鮮やかで刺激的なこの映像は、リアリティを超えた心象風景の様相を醸し出しているといえよう。“光芒”という主題を考えると、手前を少しだけ引き算したいところか。
  • ネイチャー部門 銀賞
    撮影者 野島 俊介
    題名 「初秋景」
    講評
    何という爽快な光景だろう。ガスが沸き上がり、雲が流れ、風は稜線の草をなびかせている。画面構成はもとより、低速シャッターによる動感表現など、細部にわたってすべてが計算され、コントロールされている。卓越した技と山を愛する心が融合した力作である。これで、草むらに何か花などあったならば、というところか。
  • ネイチャー部門 銀賞
    撮影者 山口 愛子
    題名 「桜に魅せられて」
    講評
    雪深い山里に展開される、オオヤマザクラ咲く遅い春の絶景である。残雪との組み合わせだけでも十分に魅力的だが、霧が湧きあがる背景の山の表情も加わっていて、桜を中心にした物語性が高まっている。少々暗めの露出で味付けした映像は、待ちわびた遅い春の表現を成功させている。コントラストはもう少し弱めてもいいかな。

ネイチャー部門 銅賞

  • ネイチャー部門 銅賞
    撮影者 浅間 宏志
    題名 「流麗」
    講評
    海に向かって一斉に波が引いていく白い流れが、とても印象的である。夕暮れだろうか、空や海面に焼けている色調が加わり、画面に変化とインパクトが生まれている。フレーミングも完成度が高い。できれば、画像処理の味付けを自然な雰囲気にしたいところか。
  • ネイチャー部門 銅賞
    撮影者 石井 輝夫
    題名 「白鳥の舞NO1」
    講評
    あまりにも優雅で、あまりにも幻想的なハクチョウの飛翔である。それも、ピントの合わせにくい正面から、低速シャッターで描いている。相当なチャレンジ精神であり、努力の成果といえよう。あとは、黒い背景に少しばかりのリアリティが欲しいところか。
  • ネイチャー部門 銅賞
    撮影者 岡 澄子
    題名 「雨あがりの樽口峠」
    講評
    私が長年撮り続けている樽口峠だが、モノクロによるこだわりの映像は、まるで別世界の水墨画の様相を呈している。貴重なガスが湧きあがっていて、躍動感あふれる光景を生み出しているのがいい。じっと見つめていると、光る峠道が少々目立っているか…。
  • ネイチャー部門 銅賞
    撮影者 熊倉 秀達
    題名 「光彩」
    講評
    若葉を纏った逞しいブナの巨木は、まるで大家族のようだ。一家全員が、互いに助け合って天に向かって伸びている。見ているだけて元気が湧いてくるような映像であり、広角レンズの使い方がたいへんに上手だ。あとは、太陽の光をおとなしくさせたいところか。
  • ネイチャー部門 銅賞
    撮影者 小林 七重
    題名 「日本海へ」
    講評
    何とも異様な光景に、思わず視線が引き寄せられる。海に流れ込む流れが生み出した砂浜の芸術的模様を、力強くしっかりと描き出している。立ち位置も、レンズの使い方もうまく、写真の見せ方も熟知している。あえて雲の表情を弱めているところに若干の違和感が…。
  • ネイチャー部門 銅賞
    撮影者 駒形 政則
    題名 「全力疾走」
    講評
    数多くのハクチョウ作品から入賞したのは、わずかに二点。そのひとつが、朝日を受けて水面を疾走するこの作品である。流し撮りのテクニックもシャッターチャンスも、ベテランの執念が感じ取れる。後ろのハクチョウの首と胴体のつながりが気になるところか。
  • ネイチャー部門 銅賞
    撮影者 柴田 民男
    題名 「峠の夜明け」
    講評
    月夜に流れる枝折峠の滝雲か。あまりに神々しい自然界の光景に、誰もが息を呑むであろう。長時間露出で描きながらも、被写界深度をしっかりとっているところに、確かな技術が伝わってくる。じっと滝雲を見つめていたいが、月の存在感が強すぎるか。
  • ネイチャー部門 銅賞
    撮影者 山田 守
    題名 「渓谷の秋」
    講評
    今回の紅葉作品でひときわ目を引いた力作であった。見事なシチュエーションであり、すばらしい光線状況で描いている。距離感を無くしたかのような手前と後ろの紅葉は、ラインも状況もすべてが対照的でインパクトが強い。どちらも主役の座を争っているのが気になるか。
  • ネイチャー部門 銅賞
    撮影者 渡辺 真一
    題名 「冬の朝」
    講評
    強烈な光と影が織りなす雪原の造形美が、まず視線を引き付ける。だが、それにとどまらず、厳寒に逞しく生きている動物たちの息遣いを足跡でとらえているところが実にいい。手前がウサギで、右奥がキツネの足跡か。その足跡をさらに強く見せるフレーミングはないか…。
  • ネイチャー部門 銅賞
    撮影者 渡辺 久子
    題名 「朝茜」
    講評
    手にした瞬間に深く吸い込まれるような感覚を覚えるほど、この作品には凄味がある。いわゆる美しい一般的な朝焼けなどは別次元の風景を描いているという気迫が伝わってくる。独特の世界観となっているが、できれば右側の暗い部分を減らしたいところか。

ネイチャー部門 入選

  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 石井 文博
    題名 「煌めく銀砂」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 石田 誠善
    題名 「初夏の朝」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 猪又 一夫
    題名 「湖畔の春」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 今井 久輔
    題名 「佐久穂遠望」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 内山 義昭
    題名 「春を呼ぶ」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 柏 行雄
    題名 「輝く尾瀬」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 工藤 信朋
    題名 「凝視」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 倉嶋 清
    題名 「新緑」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 小林 一美
    題名 「桜守り」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 小林 耕三
    題名 「緑流に咲く」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 小林 まき子
    題名 「冬晴れ」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 佐々木 壽英
    題名 「梅雨波」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 田代 孝
    題名 「秋の彩り」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 立川 政義
    題名 「桜峠」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 梨本 清一
    題名 「麦秋」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 西 一郎
    題名 「朝日に輝く」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 山口 民憲
    題名 「雪花」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 山口 ようこ
    題名 「誘う季」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 横野 功
    題名 「なごり雪」
    講評
  • ネイチャー部門 入選
    撮影者 渡辺 治
    題名 「波の華」
    講評

自由部門 金賞

  • 自由部門 金賞
    撮影者 古泉 道子
    題名 「天まで届け!」
    講評
    まるでしゃぼん玉大会のポスターにでも使えそうな、本当にさわやかで楽しい光景が明快に描かれている。シンプルな配色と躍動感をとらえた、ローアングルからの作画がすばらしい。画面構成もフレーミングも、すべて作者の計算通りに活写されているといってよく、完成度が高い。子供の表情は見えていないが、喜んでいるのは十分に伝わってくる。一方、見えている父親の表情にもっと歓びがあったならば最高かな。
  • 自由部門 金賞
    撮影者 村山 勝也
    題名 「追憶」
    講評
    ドキュメンタリー映画のポスターに使えそうな、静かながらインパクトの強い映像である。今は住む人のいなくなって朽ち果てつつある、茅葺の民家。それだけでも十分に魅力的な被写体だが、作者は、車いすの老人を配置して“追憶”なる主題を構築した。ドキュメンタリーか演出かはさておいて、現在の過疎化の問題と重ねて訴える強いチカラがある。老人のプーマジャージが少しばかり目立ちすぎているか…。
  • 自由部門 金賞
    撮影者 山本 勝栄
    題名 「指定席」
    講評
    一瞬にして、こちらを見ている猫に視線が引き付けられてしまう。色彩といい、画面構成といい、そして肝心のカメラアングルといい、すべてが決まっている。大胆な場所で大胆な姿勢で日向ぼっこをしている猫の存在感が、圧倒的だ。“邪魔するなよ”と言わんばかりに顔を上げた雰囲気もよく、警戒心を最小限にとどめさせている。あとは、“じゃりン子チエ”に出てくる小鉄たちのように、もう少し個性の強い猫であったらなぁ、というところか。

自由部門 銀賞

  • 自由部門 銀賞
    撮影者 今井 富雄
    題名 「雨あがり」
    講評
    山道の水鏡に写り込んでいる晩秋の風景が、とても印象的だ。予期せぬ出会いのシャッターチャンスを、迷いなく一瞬で力作に仕上げているのが見て取れる。瞬発力を備えたベテランの力量がうかがわれる。ローキー調の露出も的確で、相対的に映り込みの季節感が浮き上がっている。登山客の姿は、もう少し出したいところか。
  • 自由部門 銀賞
    撮影者 川田 淳
    題名 「優しい光の射す中で」
    講評
    まるで切り絵のような世界を展開しているこの作品は、たくさんの応募作品の中で、唯一無二の存在感を放っていた。ここはどこか、少女は一人で何をしているのか、そもそもこの舞台は本物か、などと多くの戸惑いを突き付ける話題作だ。黒い大地に降り注ぐやさしい光芒もいい。上部のハイライト部を減らしたいところか。
  • 自由部門 銀賞
    撮影者 高橋 ジュン
    題名 「レッド」
    講評
    何かの舞台練習なのか、それとも本番か。演出はとことん凝っていて、色彩感覚もたいへんにシンプルだ。題名になっている赤が、視線に飛び込んでくる。ネイチャー部門に応募した作品も力作で、感性がとても豊かな作者のようだ。何をどう見せればよいか、すべてが計算されている。ただ、右端の女性が発する情報量の多さだけが計算外であったか。
  • 自由部門 銀賞
    撮影者 外石 富男
    題名 「春の日」
    講評
    優しい奥様(?)と従順な飼い猫の協力によって、外石劇場のポスターが出来上がった。歴史的出来事の“天皇陛下即位”の大見出しが前面に踊っているいる。新天皇が誕生しようが今は顔パックが一大事、と言わんばかりの日常光景の一コマがいい。目線をもらわずに猫と一緒に新聞をのぞき込んでいたら、というところか。
  • 自由部門 銀賞
    撮影者 涌井 忠司
    題名 「ほら行くよー」
    講評
    雨上がりの夜なのだろうか、あらゆる情報がコントラストの強いローキー調の影の中に溶け込んでしまっている。一方で、主題は複雑で、父親らしき人物に張り付くように妖しい人影もあり、謎めいたサスペンス劇場のようだ。その落差が面白い。“ほら行くよー”という声だけは聞こえてくるが、向かう先のヒントがほしいところか。

自由部門 銅賞

  • 自由部門 銅賞
    撮影者 伊藤 政幸
    題名 「ガウォー」
    講評
    藁でできた巨大なモンスターに立ち向かう兄弟三人は遊んでいるのか、撮影に協力しているのか。よく見ると、こちらを向いている小さな女の子の額に何かが貼りついている。“熱さまシート”か。けなげな努力が入賞を呼び込んだが。モチーフの発想には転換がほしいところか。
  • 自由部門 銅賞
    撮影者 上野 正道
    題名 「終りの刻」
    講評
    画面全体に、哀愁が漂っている。長く伸びた男の影は、夕陽なのだろう。あえてモノクロで表現することで、余分な情報をすべて捨象し、日没の哀愁を増幅させることに成功している。見せ方を熟知したうえでの構成力が光るが、男の所作にもうひとつ味を求めたい…。
  • 自由部門 銅賞
    撮影者 片山 友幸
    題名 「考える猿」
    講評
    猿の作品でドキッとさせられたのは久しぶりであり、このような哲学的な主題の作品は珍しい。考え込むような姿勢を浮かび上がらせた光のラインと垂れ下がっている鎖の組み合わせに、不思議な世界観が迫ってくる。足元の相棒が見えなければもっといいかな…。
  • 自由部門 銅賞
    撮影者 小林 公一
    題名 「白い指」
    講評
    いつでも撮影できそうな被写体にもかかわらず、見た瞬間のインパクトはかなり大きい。マントヒヒの手であろうか。見慣れた猿やゴリラの手とは違い、新鮮だ。もちろん毛を白い輝きとして印象付けている画像処理もうまい。あとは指の動きにもうひとつの変化か。
  • 自由部門 銅賞
    撮影者 小林 敏行
    題名 「朝酒一杯」
    講評
    一升瓶とコップに注がれた日本酒、そして傍らでにやりとしている初老の男…。男の表情は、かろうじて右目と口元だけから気配が伝わってくる。ここは自宅か、それとも職場なのか。タイトルは、“朝酒一杯”。それならば、コップをしっかり画面に入れたいところか。
  • 自由部門 銅賞
    撮影者 渋木 高志
    題名 「宿場の守り神」
    講評
    私の眼には、一人のおばあさんと一匹の狸が同時に飛び込んでくる。白い腹をした狸の置物、そしてと赤い前掛けをしたおばあさんがどことなく似ていてとてもユーモラスだ。宿場の守り神はどちらなのか。通路を減らしてその対比を強調させたいところ。
  • 自由部門 銅賞
    撮影者 角田 侃男
    題名 「水掛け神輿渡御」
    講評
    あわや事故かと思ってしまうほど、神輿が傾いて建物に衝突しているように見え、担いでいる何人かの男たちは空中に跳ね上がっている。沿道からの“清め水”を浴びながら繰り広げられる勇壮な祭りだ。手前と右側を引き算して躍動感を増したいところか。
  • 自由部門 銅賞
    撮影者 早野 由香
    題名 「闇夜の嫁入り」
    講評
    闇夜に妖しく浮かび上がる白い花嫁姿とお供の赤い傘に、心がざわつく。30年ほど前に見た、黒沢映画の「夢」の中の一遍に出てくる映像が思い出された。暗い闇夜を多く入れた画面構成も刺激的だ。提灯と花嫁の圧縮効果を生み出すために、斜め前方から狙いたいところか。
  • 自由部門 銅賞
    撮影者 宮澤 健二
    題名 「春の桃源郷」
    講評
    桜をこよなく愛する私にとっては、ため息の出るようなまさに“桃源郷”である。標高の高い山里は、まるで下界から閉ざされているようだ。畑と人家と、そして桜。切り立っている断崖の境界線に立ち並ぶ新緑も印象的だ。手前を少し引き算してすっきりさせたいところか。
  • 自由部門 銅賞
    撮影者 吉澤 園恵
    題名 「冬の晴れ間に」
    講評
    暦の上では春の風物詩だが、映像ではまさに冬の風物詩。“越後上布の雪ざらし”は、作品を見ているだけで独特の季節感とドキドキ感がこみあげてくる。長い歴史とロマンをも織り込んだこの製品を一度は纏ってみたいと思う。低速シャッターで手元や布の動きを出したいところか。

自由部門 入選

  • 自由部門 入選
    撮影者 阿達 清
    題名 「競走だー」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 阿部 英子
    題名 「帰省」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 荒井 浩
    題名 「お祝いの日」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 大竹 俊夫
    題名 「斜光」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 栗山 浩三
    題名 「虫送りの子供達」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 黒坂 芙美子
    題名 「マーガレット咲く道」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 是永 進
    題名 「私も稲刈ったヨ!」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 斎藤 日出子
    題名 「夕陽の贈り物」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 高橋 賢蔵
    題名 「落陽」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 田中 日登志
    題名 「稲虫送り」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 富樫 幸治
    題名 「爆煙に飲み込まれそう」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 中村 重敏
    題名 「餌場横取り」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 広川 恒人
    題名 「修行」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 松下 邦浩
    題名 「廃線」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 水吉 力
    題名 「夫婦2」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 宮口 吉治
    題名 「シルエット」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 山口 進
    題名 「魅せられて」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 渡邉 隆
    題名 「稲虫送り」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 渡部 義明
    題名 「夏日」
    講評
  • 自由部門 入選
    撮影者 渡部 吉子
    題名 「ハロウィン」
    講評

学生部門 金賞

  • 学生部門 金賞
    撮影者 斎藤 優
    題名 「スポットライト」
    講評
    “孤高のミーアキャットよ、君はなぜじっとこっちを見つめているのか”と、問いかけたいほどの視線を感じる。誰かの前世の姿ではないのかと思うほどの凝視だ。それにしても、これ以上のライティングはないだろう。見事なシャッターチャンスによくぞ立ち会えたものであり、運も実力のうちという格言が想起させられる。切り取った周囲の環境もすばらしく、とても動物園とは思えない。日の丸構図を少し崩してもよいところか。

学生部門 銀賞

  • 学生部門 銀賞
    撮影者 宇良 宗一郎
    題名 「学生最後の冬」
    講評
    美しい星空と焚火を囲む学生仲間。魚眼レンズを上手に活用したスケール感に吸い込まれるような感覚を覚える。それにしても学生最後のひとときに、このような見事な星空とは、宇良さんと友人にとって、一生の思い出となることだろう。画面構成も露出もいい出来栄えである。あとは、三人にもっと楽し気な動きが欲しいところか。
  • 学生部門 銀賞
    撮影者 本間 翔
    題名 「浴衣と花」
    講評
    神社の境内だろうか、遊び心に満ちた映像に思わず見入ってしまう。前に突き出された花束は、何の花か。浴衣を着ているということは、今日は何かの祭りなのか。この女性は左利きか、何歳ぐらいか。花の隙間からわずかに見える瞳からは表情は伺え知れず、これまた妖しいばかりだ。右手と下半身の情報をさらにほしくなるところか。

学生部門 銅賞

  • 学生部門 銅賞
    撮影者 阿部 秀悟
    題名 「足の主張」
    講評
    一体全体、どうなっているのだろうか。水遊びだとは思うが、背景は商店街のような道路である。であるならば、これはベビープールであろう。面白い設定だ。しかし、画面中央に突き出された足は、誰のものか。この足にピントを合わせて大胆にとらえてみたくなる。
  • 学生部門 銅賞
    撮影者 阿部 佑紀
    題名 「向こう側の世界」
    講評
    走りゆくバスのガラス窓越しに狙うというアイデアが面白い。低速シャッターではあるものの、窓越しに見えるショーウィンドゥの展示物はぶれることなくしっかりとらえられている。きちんと三脚も使ったのだろう。主役の展示物に変化がほしいところか。
  • 学生部門 銅賞
    撮影者 小片 彩香
    題名 「元気玉」
    講評
    何といっても、女子仲良し三人組でこの作品作りを楽しんでいるのが伝わってきて、こちらも楽しい。大地の元気が、みんなに行き届いて欲しいものだ。露出を切り詰めて描いた切り絵のようなシンプルな絵作りは、わかりやすい。どちらか片方のしぐさにひとひねりほしいところか。
  • 学生部門 銅賞
    撮影者 松﨑 豊
    題名 「もたれる」
    講評
    この異国情緒化が漂う場所はベトナムだろうか。彼女の持っているノンラーもいでたちもそのような情感だ。スマホを手にした彼女は、ぽつねんと一人待ち合わせなのか。閉ざされた門の向こうも気にはなるが、物語の展開にもう一人の登場人物がほしいところか。
  • 学生部門 銅賞
    撮影者 山浦 陽菜
    題名 「一期一会」
    講評
    いいねぇ、桜並木の帰り道。春の歓びと友情の喜びが満ちている。その二人の視線の先には、少しばかりかっこいいような若者がジョギングしているのか。上空には不穏な雲が立ち込めている。ほほえましい青春映画のようだ。彼女たちの視線の強さがもう少しあったらなぁ。

学生部門 入選

  • 学生部門 入選
    撮影者 大田 築
    題名 「野性」
    講評
  • 学生部門 入選
    撮影者 櫻井 日和
    題名 「紅葉」
    講評
  • 学生部門 入選
    撮影者 佐藤 礼偲
    題名 「蓬莱山を往く」
    講評
  • 学生部門 入選
    撮影者 髙井 有稀奈
    題名 「夜道」
    講評
  • 学生部門 入選
    撮影者 中村 真梧
    題名 「力眼」
    講評
  • 学生部門 入選
    撮影者 沼倉 早美
    題名 「木列」
    講評
  • 学生部門 入選
    撮影者 沼倉 洋介
    題名 「天啓」
    講評
  • 学生部門 入選
    撮影者 樋沢 誠人
    題名 「風立ちぬ」
    講評
  • 学生部門 入選
    撮影者 横山 瑛人
    題名 「思春期」
    講評
  • 学生部門 入選
    撮影者 吉田 尚矢
    題名 「祭夜の賑わい」
    講評